カラマーゾフの兄弟 第2編
第2編は修道院に集まったカラマーゾフの父子兄弟、そしてミウーソフらが長老の部屋を訪れ、修道院長の食事に招かれ、そして帰るまでの話である。
フョードルを道化役の主人公とした、ドタバタ劇場である。
卑しく醜い言い争いに対して、長老や修道院長がどう対応し、話すのかが見どころ。
ドタバタ劇場の合間に現れる、長老の言葉や宗教談義が当時のヨーロッパやロシアの宗教観やスタンスを表しているのだろう。
もちろん、長老の言葉には、キリスト教ではない我々にもわかる普遍的な心理を説いていたりする。
嘘をついてはいけない。
己を侮辱する者を赦しなさい。
自分で自分を貶めないように。
そうしてこのドタバタ劇場の最後には、
このドタバタ劇場が計画されたものであり、
知的冷静キャラだと思っていたイワンが1枚噛んでいることが仄めかされて終わる。
新たな登場人物は以下の通り
●ラキーチン(ミーシャ)
→修道院の庇護を受けている、未来の神学者。カラマーゾフの家族の事情を見抜いている。アリョーシャの友人。
●グルーシェニカ
→フョードルとドミートリィが惚れている(らしい)娼婦。
●カテリーナ・イワーノヴナ
→ドミートリィの許嫁であったが、ドミートリィはその後グルーシェニカにぞっこんになってしまう。弟のイワンが兄に捨てられた(?)イワーノヴナのことを狙っているらしい。