カラマーゾフの兄弟 第9編
第8編の最後で、いきなり逮捕されたドミートリィだが
第9編では、ペルホーチンが彼と別れてからどうなり、どういういきさつで署長たちが駆けつけることになったかの経緯と
その後で予審の状況が綴られる。
正直、予審が始まってからは、中々話が進まず退屈になってくる。
ネリュードフが何か質問しては、ドミートリィの答えが長く、中々的を射ず、話が進まない。
ドミートリィやネリュードフ、その他あの場面に立ち会った人々全てが、予審が中々進まず疲れていたと思われるが、それはその場面を見ている読者も同じである。
ちなみにヨーロッパの小説には、よく「予審判事」などというものが出てくるが、
調べてみたところ、予審とは被告を正式に裁判にかける前に、
この被告がほんとに裁判にかける必要性が認められるか調査することで、
この調査を担当する、調査専門の裁判官のことを予審判事というらしい。
中性のヨーロッパの仕組みかと思いきや、現在のフランスなどで今も残っている仕組みらしい。戦前の日本にもこの仕組みがあったが、ほぼ形骸化し、戦後なくなったようだ。
新たな登場人物
●ペルホーチン
→ドミートリィの鉄砲を質に入れさせ、10カペイカ貸した官吏
●ニコライ・ネリュードフ
→予審判事の若者
●イッポリート・キリーロウィチ
→検事補だが、文中では検事と略される
●ミハイル・マカロフ
→郡の警察署長
●マヴリーキィ・マヴリーキエウィチ
→分署長